これは、残念ながら輸送時にダメージを受けてしまったTimothyの作品です。
そうした困難もまたアフリカアートを語る一部と考え、インスタレーションとして展示します。
Timothyは、ルワンダの首都キガリにあるギャラリーに所属すアーティスト。多くの欧米人観光客からも人気の作家です。
発送の連絡があってから10日以上経っても荷物が到着しないので、トラッキングナンバーを追跡すると、ドバイで何日も停滞しています。
その後、HongKongで数日停滞した後、ようやくTokyo到着。カスタムを通過したと思ったら、ステイタスがUnable to deliverとなっています。
問い合わせると荷物が大き過ぎて、車に乗らないので配達できないという。それじゃ困りますと交渉して、ようやく届けてもらった荷物は、大きな木箱に入っていました。
発送時の送り状では8kgとなっていますが、動かせないほどの重さなので30kgくらいはありそうです。
業者さんは配達のみで、開梱はできませんとのこと。
玄関に入れることができないので、薪割り用の斧で、てこの原理を使ってこじ開け、なんとか中身を出すことができました。
苦労して開梱してみると、なんと中がくしゃくしゃにつぶれていました。ルワンダからの注意には「折らないで」と書いてあるのにダンボールで発送されたものが、途中でダメージをうけたため、ドバイで木箱に入れられたようです。
修復士に見せたところ、オイルなら伸ばせるかもしれないけれど、Timothyの作品はアクリル絵の具を使っているので、無理に伸ばすと剥離やクラックが生じるため、修復は難しいとのこと。
修復の費用も掛かるため、一番大きい作品は額装をあきらめ、インスタレーションとして展示しました。せっかくのアート作品が残念なことです。
空輸の際、とても費用が掛かるため裏板を外した状態でキャンバス地のみを送ってもらっています。国際貨物業者にクレームで補償の請求をしていますが、イギリスの会社のルワンダ支店で、難航しています。
このようなことがあり、作家がもう日本には送りたくないと思ってしまったら困るなあと思っていたら、Timothyからキャンバス地ではなくアルミニウムに描く方法を考えたから次は大丈夫だよ、と連絡がありました!
木箱はうちの薪ストーブの焚きつけになりました。