アーティストが契約の意思表示をしたら、そこからが交渉です。細々した契約条件を話し合っていかなくてはなりません。
かれらは支援慣れしていることも多く、日本に招待してくれるの?旅費やホテル代は?などと大きな期待を持つ人もいます。こちらはヨーロッパの大きな財団とは違うけど、ただ展示するだけではなく、日本国内でのプロモーションや販売もしていきたいこと、活動の意義や目的を説明しながら、条件をつめていきます。
今回はマラウイ、ルワンダ、ケニア、モザンビークの6人のアーテイストと連絡を取り、交渉を進めました。でもかれら、なかなかメールを読んでくれないし、たとえ読んでもすぐに返信してくれません。メールにすぐ返信が来ないのは "アフリカあるある" ですね。ネットの具合がわるくて、とか、いま送ろうと思ってた、とか。比較的タイムリーに返信してくれるのはWhatsAppやMessengerなので、これらのアプリが主な連絡手段です。
その間、日本国内でも協力者や強力な助っ人があらわれました。
なかでも、法人会員になってくださった愛媛のIT企業、株式会社フェローシステムのカニャくん(左)には、休日や勤務時間外の電話にも付き合ってもらい、現地との込み入った話も代行してもらいました。日本‐マラウイのハーフでバイリンガル、両国の架け橋になりたいと、日々奮闘している好青年です。
そんなカニャくん(右上)が進行役をつとめてくれたWhatsAppでの4元中継ミーティング。
日本、マラウイ、南ア、アメリカ(このときはすでに脱落)の多国籍グループミーティングは、なかなかに難しいものでした。
電波が悪いといったテクニカルなことに加え、強い押しに弱い、アフリカ英語が聞き取れないなど、わたしの個人的な反省点も多くありましたが、結論としては、「個性の強いアーテイストにグループミーティングをさせてはいけない!」でした。
そんなおかげもあり、輸送や時期の問題などで2人は次回ということになったものの、4人のアーテイストと契約が成立しました。
契約を交わしたあるアーテイストは、出展の準備のために絵の具を買うなどして、有り金をすべて使ってしまった、と言います。こちらの資金はこの時点では、ほぼわたしの自腹状態なので、事前にこちらが送金したのは送料のみ。アート展の後に絵が売れたら代金を送金する契約です。
どうしよう、そんな大変な思いで送ってもらうからには、なんとしても絵を売らなくては、プロジェクトを成功させなくては、とプレッシャーを感じて夜もうかうか眠れません(寝てますが)。
そのことをカニャくんに話すと、
「ああ、かれらはよく有り金を使ってしまうので、日本人が思うほど深刻に考えなくても大丈夫ですよ。かれらの生活をすべて背負おうなどと思うとやっていられなくなるので、できる限りのことはするけど、あとは仕方がないと割り切って、楽しんでやりましょう」と、二十歳そこそこの若者のオトナな発言。心強いかぎりです。
やったこと:
1. 交渉
2. 協力者、仲間をつくる
3. グループミーティング
Comments