契約を結ぶまでには、どっちが送料を持つ?保険は?手数料は何%にする?売れ残った場合はどうする?などの細かい決め事を一つずつクリアしていかなければなりません。ここからが大変なところです。ねえメールみた?書類送ったから確認して!返事まだ?と何度もメッセージを送らないと、現地のアーティストはなかなか対応してくれません。
これがアフリカ時間てやつ!? いいね、エキサイティングだね!うん、明日やるよ!などと言いながら、なかなか準備がすすまないので、こちらはひやひやです。日本人でもそういう人はいるから一概には言えませんが、海外ビジネスってこういうのを受け入れることかもしれませんね。
スケジュールや発送時の注意事項などの現地側フォローは、協力会社の株式会社フェローシステムのカニャくんが間に入って尽力してくれました。
日本とアフリカの橋渡しとなり、ビジネスで世界をより良いものに変えたいと奮闘するアツい若者です。
メッセージの文面に書いてあるニュアンスや感情は、文化的な背景を理解していないとわからないのでとても助かります。
こうして、なんとか4人のアーテイストとの契約成立にこぎつけました。
一連のやり取りでわたしが学んだことは、要求には必ず期限をもうけること。「この書類は48時間以内に送り返してください。そうしないと○○に間に合わないため、この契約は無効となります」など、脅し文句のような文面ですが、ASAPのような曖昧な表現ではなく、具体的に理由を言って期限をもうけることで返信が早くなりました。
さあ、残る大きな課題は、作品を間違いなく発送してもらうこと。
会場を予約し、各方面に連絡をしてアート展の準備を進めているのに、作品が到着しなければ話になりません。
アーティストの個性もいろいろ。
ある南アのアーティストは、国際貨物エージェントの窓口から電話してきて「いま送料の見積もりをしてもらうところだから、送り先の住所教えて。担当者を待たせてるから早くして」とキレ気味に言ってくる(べつにキレてないのかもしれないけど、日本人からするとちょっとこわい)。
突然の英語の電話は心の準備ができていないし、アフリカアクセントが聞き取りにくいのよ、なんて言ってる場合ではない。Shipping Addressは契約書に書いてあるし、窓口に行く前に確認するよね、ふつう、なんていうのも通用しない。
そんなマイペースな人もいれば、わりとちゃんとしてる人もいます。
マラウイのElsonは、約束通り発送前に「いまから送るよ」とメッセージをくれました。その絵が一週間後には遥か遠い日本にある。
荷物を開けたときには感慨深いものがありました。アートを買うって興奮することです。
問題がなければ内陸国からでも1週間で着くのですが、発送の連絡をもらってもなかなか到着しないものもあります。
ルワンダからの荷物が2週間以上たっても届かないのでShipping No.をトラッキングしてみると、Dubaiで10日間ほど hub や sort を行ったり来たりしています。
輸送業者に連絡して問い合わせたりしているうちに、なんとかウェブ上で HongKong まで来ていることが確認できました。遅いけれど、まあ近づいてはいるようです。
そこでまた3日間滞在した後、ようやく Tokyo。でもカスタムを通過した後、ステイタスが Unable to deliver に変わってます。連絡すると、荷物が大きすぎて車に入らないので配達できないという。いや、それじゃあ困るのよ(日本人相手だとふつうに抗議できる)と交渉して、配達してもらえることに。でも、通常の配達の車に乗らないってどれだけ大きいの?
という、いやな予感通り、玄関に入らない大きさの荷物が到着。
しかも、開梱はできませんのでご了承ください、とそのまま置いていかれる。
頑丈な木箱は、わたしが自力で動かすことができない重さ。このままでは雨が降ったら濡れてしまいます。
薪割り用の斧でなんとかこじ開けて、中身を出すことができました。てこの原理でそう力はいりませんでしたよ。こう見えて、ワイルドなの。
いずれにしても、アフリカから何かを輸入するって大変なことです。
輸送費を少しでも安くするため、どの絵も裏のフレームを外してキャンバス地だけを送っているので、これから木枠に張り直してもらわなければなりません。
眠れぬ日々はまだまだ続きます。
やったこと:
1. 根気強くやり取りする
2. 航空貨物を追跡する
3. 木箱を開梱する
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